黄昏流星群17

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「星がりません勝つまでは」外務省職員としてバリバリのキャリアを積み上げてきた主人公が50年ぶりくらいに田舎に帰り地元の老人ホームへ入所するとそこには子供の頃に密かに恋したマドンナの女性が。運命的な再会に淡い期待を抱いているとそこへ偶然その昔ガキ大将で自分のことを虐めていた男も入所してくる。小学生の頃のようなマウントの取り合い、ホームを巻き込んだ主導権の奪い合いに一喜一憂する中で主人公のことを親身になって理解してくれる女性が現れる。老人ホームや介護施設の一面を垣間見た。どこまで行っても人間関係が付きまとう。これからお世話になるかも知れない終の住処でどういう人と巡り合わせるかによって最終盤の人生の充実っぷりも変わってくるのだろうな。高いお金払って入っても隣人に恵まれなかったら終わりやもんね。そこは本当運と人間性が大事。俺は孤独死野垂れ死にするのかな、悲しい。

 


「星に祈りを」自称ジャーナリストだが実際は政界の暗部を取材し強請りや犯罪すれすれの行為で(時にはアウト)ゴキブリのような生命力を発揮し泥水をすすりながら生きている男の前にある日通りがかった夜の公園で首を吊って気を失っている女を助ける。記憶喪失の女と奇妙な共同生活を送る中で女が昔強盗殺人を犯して逃亡中の犯人であることが判明する。普通ならそこで警察に突き出したりするのかとおもいきやこのゴキブリ男は女の話を聞き、同情してやり殺人を犯すことになった悪徳政治家の周りを取材をし女に自首を促し、その悪徳政治家の証拠を野党側の政治家に渡し(辻元風)見事引退に追い込む。そして獄中結婚をする。男は女が出所した時に一緒に暮らせるようにこれまでの職を辞め別の真っ当な仕事に就きこれまでの自堕落な生活も一変させる。冒頭の商売女と自分の会社でセックスをしているところに敵側の刺客に襲われペンチで指を切られ、懇意にしている病院に指を繋ぎに行くところまで含めむちゃくちゃアウトサイダー、ハードボイルド。実際に生きるのは無茶苦茶しんどいやろけど…男の子が興奮する(憧れる)生き方。昔からある日本の伝統の80年代の感じ。今こういうのまた流行りそうなきがするけどな。探偵濱マイクとかSkoopとか新宿鮫とか。この原作通り50がらみの脂っこいおじさんが主人公なら尚さらむちゃくちゃ見てみたい。てか弘兼先生こういう作風も書けるのかほんと驚嘆するしかない。ズバリおった、吉田鋼太郎さんでぜひ観たい。