JIN-仁-6

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当代随一の美人画を描く浮世絵師桜川雲泉の右手の手根管症候群を手術し(絵師の利き手を、手術とはいえ預けられる医師の責任の重さは計り知れないなと思った)、無事に快方へ向かったが、最近開院したばかりの療養所の外科に患者が来ないという問題が持ち上がっていた。初めの頃は来ていたが、ぱったり来なくなったという。今は元幕府御典医師として名高い福田玄孝の内科の患者ばかり。このままではペニシリンの製造をストップせざるを得ないと原因を探ると、なんと医学館を追われたはずの福田と多紀元琰がウラで繋がっていた。どうやら仁の医療行為を敵視した多紀が福田を遣わせたようだ。まさに獅子身中の虫。そんな折京都では尊王派と攘夷派の対立が一層激化し、かの有名な池田屋事件が起きる。そんな中、勝海舟の義理の兄である佐久間象山が辻斬りに会い瀕死の状態に陥り、勝は仁を京都に呼ぶ。そこでも一命を取り留めるべく必死の救助を行うが象山は仁の医術に理解を示しながら還らぬ人となってしまった。その後京に残って医療活動を続けていると当時の歴史の中心人物たちがどんどんと登場し仁は大西郷の元に居た。7巻へ続く。