黄昏流星群28

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「輝ける晩星」41歳になって未婚のまま17年間も不倫を続けてきた看護師の井川美智子だったがここへ来て自分は今のままで良いのだろうかと疑問に思うようになっていた。ちょうどその頃、病院に一人の患者が入院し井川はその患者の看護を担当することになる。財界の大物だったらしい患者の曽根はしかし尊大に振る舞う訳でもなく常に上品で紳士的な対応でとても優しく接してくれる。そんな人柄にだんだんと惹かれ出した井川はある日自分が曽根に恋をしていると気づく。そこから曽根の奥さんとの奇妙で静かで(また手前勝手な)三角関係に陥る井川であったがある日曽根の病状が悪化し意識が混濁し物言わぬ人となってしまう。それからあっという間に還らぬ人となってしまったがあの時に反応した「あれ」は何だったんだろうか?と不思議に思う。(写真①黒い影越しの井川美智子)

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人生はほんとにあっちゅう間、あゝ無情。

 

「薔薇の刺星」若い頃左翼運動に情熱を燃やした男と自ら書いた詩を路上で売っていた女は共に薔薇の刺青を入れる。世間体、地位、欺瞞そういう世界から逃れるために、この刺青が不都合と思われるような世界には生きたくないと男は言い、そんな男に惹かれた女はいつまでも一緒に居たいと願ったがいつの日か男は家を出たきり帰って来なかった。37年ぶりに偶然再会した男と女。リルケの詩と共に薔薇の刺青を見せ合う二人。THE「若気の至り」多かれ少なかれみんながこんな青くさい失敗をしたことだろう。あの頃歳を取るなんて思いもしなかったはず。本を読むとバカになるあるいは本を読むとアカになるは本当だと思う。(写真②若い時の男)

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(写真③37年後の男)

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「再会流れ星」度重なる暴力に耐えきれず夫を刺し殺した罪で服役した西本真理はたまたま出所前に聞いたラジオ番組で昔付き合っていた男がもう一度自分と会いたがっていることを知る。あの頃必ず連絡すると言っていたが返事が出来なかったことを後悔していた西本は勇気を出してラジオ局へと赴く。その話を聞いたラジオDJは興味を示し話の相談に乗ってくれた。そのおかげで再会を果たし一時期は順調に行くのかと思ったが女の前科を知るや男は一方的に別れを告げてきた。こんな事ならいっそ初めから出会わなければ良かったと悲しみにくれる西本真理であったが、その話をラジオDJ吹田邦夫に伝えると「今度オレにビーフストロガノフを作ってくれないか?」と誘われた。人生どこでどうなるか分からない、思わぬことがきっかけで良い方に変わることもあるのがまた人生。(写真④吹田邦夫の大ボラワイド)

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月〜金の午前中の帯番組かな?