2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

悲観する力

生きていく上でのリスクを回避する為の技術としての「悲観」する力、森先生独自の観点から説いた本。だいぶ多いが気になった箇所を引用した/「こうすればああなる」式のハウツー本のような単純化した考え方を真に受けてしまうのは「楽観」である。つまり「こ…

海辺のカフカ(上)

昔に一度読んだきりだったので内容をほとんど忘れてしまっていたのでほぼ初見の感覚で読めた。そして今読み終わってから少し時間が経ったのでまた再び内容を忘れ始めているのだが、印象としては騎士団長殺しと同じかそれ以上に面白かった。途中残酷なシーン…

ONE PIECE65

しらほし姫に向けて古より伝わる巨大なノアの方舟を投げつけたデッケンをホーディが刺し一度は魚人島から逸れ始めた方舟が再び島へ向かって落ちて来た。ホーディの暴走を止めようとするルフィ。同時にそれぞれ仲間たちも新・魚人海賊団の幹部たちと戦いを始…

ONE PIECE64

ために溜め込んだストレスを後半部で一気に放出させる64巻。王が囚われ、さらにはジンベエとしらほし姫、ネプチューン三兄弟までも捕らえられて、いよいよ万事休したかに見えた魚人島の未来。そこへようやく現れた麦わらのルフィとその一味たち。登場しただ…

ミンボーの女

民事介入暴力略して(ミンボー)民暴。映画の2ヶ月前に「暴力団対策法」が施行され世間でも注目を浴びて大ヒットしたらしい。今観るといかに当時はヤクザ側の言い分が通りやすかったのかが分かる、ほとんど脅したモン勝ちの無法状態ではないか。今の時代ならそ…

ぼのぼの11

今回登場するキャラクター紹介のところでシマリスくん最近だんだん変なヤツになってきたと言われると書いてあったけどオレも共感した。確か前の巻で言及したと思うけど、今回もフェネギーを執拗に木の枝で刺すあたり少し猟奇的だった。おもしろいけど笑。猟…

さよならにっぽん

1981年初版発行。オムニバス短編集。あとがきに作者自身が書いているが昔人から指摘された「大友克洋の作品は白い」というのを四年ぶりに読み直して自分も痛感したと。最初どういう意味かと思ったが要するに描いてない箇所が多い=手抜きが多いということらし…

生きる意味を問う

著者が色んな雑誌や媒体に書き残したエッセイをテーマ別にまとめたもの。内容や書かれた時期にも幅があるが、三島の考えの一端に触れることが出来る。内容はいつも難しいが、偉人の思考回路に素読的に触れることもまったくの無駄ではないと信じたい。2回3回…

じゃりン子チエ2

お母はんが戻って来て今度は代わりにテツが家出する。普通の家庭、普通の幸せに全く耐性がないテツ。ある意味子どもより子ども。そしてアントニオの息子Jr.がやって来た。父のタマを取った(2つの意味で)仇を討つために小鉄と直接対決するのだが…決してやり返…

取締役島耕作8

学歴詐称が横行する中国社会。同じアジアでもこんなにも常識が違うもんだなと勉強になる。中国では「すべては偽物だが詐欺師だけは本物」と言うらしい。なかなかうまいこという。そして反日のこと。最近の韓国のことがあったのですっかり忘れていたが、そう…

取締役島耕作7

出発集団の曽烈生のクーデターを検知した島耕作はその事を代表の孫鋭に告げるが、孫鋭はすでに知っていた。知りつつ油断させる為にわざと典子ママに入れ込んでいるように見せ飲みすぎて体調を壊し入院しているフリまでしていたという。歌舞伎の「仮名手本忠…

クーリンチェ少年殺人事件

なかなか4時間の映画を観る機会がなかったが最後まで見通した。人間が集中して観れるのはそんなに長くはない、やはり作品としてちゃんと観られることを考えるなら分けてでも観せた方がいい気はするがどうなんだろう。けれどやはり3時間を超える作品には大作…

若きサムライのために

もう若くもサムライでもないが読んだ。その昔二十歳そこそこで本を読みだした時に"ジャケ買い"して手に取ったことを覚えている。今あらためて読んでも面白かった。対談のところは少し前提となる知識が無いので分からないことが多かったが、それも又何度も読…

JIN-仁-7

西郷隆盛の虫垂炎の手術に成功し後の十五代将軍慶喜にまで謁見することになった仁。いよいよ歴史の渦の中に飲み込まれはじめた。そろそろ史実とは違うことが起こるのではないか?そのあとはどうするのか?タイムスリップものの永遠の矛盾である「パラレルワ…

JIN-仁-6

当代随一の美人画を描く浮世絵師桜川雲泉の右手の手根管症候群を手術し(絵師の利き手を、手術とはいえ預けられる医師の責任の重さは計り知れないなと思った)、無事に快方へ向かったが、最近開院したばかりの療養所の外科に患者が来ないという問題が持ち上が…

ONE PIECE63

魚人島の戦いの全貌が見えて来た。人間を嫌う強硬派の「新魚人海賊団」ホーディ・ジョーンズとしらほし姫を付け狙うバンダー・デッケン九世が手を組みリュウグウ王国のネプチューン王の政権転覆を狙ったクーデターだった。それは魚人と人間の因縁深い関係か…

ONE PIECE62

ついについに、長い遠回りを経て(その間何と2年!)ようやく魚人島へたどり着いた。海底1万メートルの果てにたどり着くまで様々な難関が待ち受けていた。ルフィたちを追ってきた海賊「濡れ髪のカリブー」、深海の超巨大生物「クラーケン」のスルメ(のちにルフ…

マルサの女2

おそらく前年のヒットを受けて製作されたであろう今作も宮本信子率いる国税局の査察官「マルサの女」が違法な脱税をしている人間を追い詰める。得てしてこういう形で作られた2は大した事ないことが多いのだが伊丹十三はやはり凄い。ちゃんとしたエンタメに仕…

15時17分、パリ行き

2015年にパリ行きの高速列車の中で実際に起きた銃乱射事件を、クリント・イーストウッド監督が実際に事件に遭遇したアメリカ人の3人を主演に起用して描いた意欲作。最初主人公の3人のうちの1人のスペンサーが軍への憧れが強いがその気持ちが報われない現実…

ゲーテとの対話 下

ついに読み終わった。初めて上中下巻読み通した。難しかったし分からないことは多々あったがとりあえず初めて世界有数の偉大なもの、崇高なものと繋がることができた。単純に嬉しい。もちろん今回読んだだけですぐに何かが変わる訳ではないが、今後繰り返し…

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

「騎士団長殺し」から続けて読んだが今回も面白かった。どうしてこんな描写が出来るのか。思わずうっとりしてしまう。文章でうっとりするなんてなかなかない経験だ。レビューで酷評されていると聞いてあまり期待しないで読んだが(確かに最後の最後で特に何も…

気分はもう戦争

大友克洋の初期作品。SFハードボイルド作品というジャンルがあるかどうかは分からないが、AKIRAの世界観とも共通する70年代から80年代の日本の空気感がよく伝わってくる。ショーケンや水谷豊、松田優作らの作品とも共通する匂い。今よりもきっと男尊女卑が強…

生き方

昔に一度読んだことがあったが今回HONZのレビューで紹介されていたので再読した。著者本人も書いてある通り言ってることはしごくまっとうな普通の事を言ってるのに過ぎない(例えば一生懸命働くだとか嘘をつかないとか謙虚に生きるとか感謝をするとか)のだが…

取締役島耕作6

前巻とはガラリと変わって一気に劇画タッチのキナ臭い内容に。出発集団の若手No.1の呼び声高い曽烈生が現れたからだ。彼は表向きは出発集団の若手筆頭株のカリスマ的な社員ではあるが、実は裏の顔を持ちヘロインの密輸に関わっているようだ。お久しぶりのグ…

取締役島耕作5

上海篇。日本人スタッフの重田を日本で待つ婚約者の元へと返してやり、さらに他社からヘッドハンティングされた陳を倍の給料で報い、さらに会社の意向でもある現地中国人スタッフで陣容を整えるという三者の意向にきっちり沿う形で名采配をみせた耕作。さす…

マルサの女

テーマソングが印象的でそばかすでオカッパの宮本信子が査察官として脱税事件を調査する、子供の時に観ても全く面白さが分からなかったが、伊丹作品は大人のためにある映画だ。名だたる俳優陣の若い頃の仕事ぶりも拝見出来てそれも楽しい。こういうときに真…

遅読術

面白くて一気に読み終わってすぐに2回目を読み始めた。まず見開きから→「自分を救えるのは自分ではないと気づくことだ。自分の力などたかが知れていると思い知ることだ。」と自己啓発本の類なら大概「自分を救うのは自分しかいない」と書かれていそうだが、…

黄昏流星群30

「社長の星春」株式会社フォーイーストは運動靴の分野でシェアトップを誇る一流スポーツメーカーである。その会社の代表取締役社長を務める中津川修三はある日、自分の身一つで築きあげたこの会社がファンド会社によって敵対的買収を仕掛けられたことを知る…

ONE PIECE 61

麦わらの一味たちはそれぞれにルフィが送ったメッセージを受け取り2年後に再び力をつけて会おうと心に誓う。そしていよいよ2年後ー。あの日別れたシャボンディ諸島でついに再会を果たす。それぞれが充実した日々を過ごしたであろうことは想像に難くない変貌…

ONE PIECE 60

エース、ルフィ、サボの義兄弟の絆、子ども時代がいま明かされる。それは虐げられた者たちのどデカイ権力への復讐の挽歌でもある。血筋や血統、地位などで人を判断するのではなく、あくまでもその人自身が大切だと物語は教えてくれる。それにしても権力者た…