マルサの女2

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おそらく前年のヒットを受けて製作されたであろう今作も宮本信子率いる国税局の査察官「マルサの女」が違法な脱税をしている人間を追い詰める。得てしてこういう形で作られた2は大した事ないことが多いのだが伊丹十三はやはり凄い。ちゃんとしたエンタメに仕上げてみせる。ラストのそれでもビクともしない巨悪の姿を悔しまぎれにフェンス越しに見つめる査察官たちの姿が、この世にはいくら正したように見えても手の届かない悪は存在し続けることを示唆していて何とも言えない気持ちにはなった。それでも戦いを続けて次の世代へ繋げていくしかない。ある種のロマンを帯びてくる。そういう生き方が素敵だと思う。前にも書いたと思うが伊丹作品を全部観てみようと思う。ここに一つの自分が目指す理想の生き方がある。