水曜日のダウンタウンで

吃音者の芸人が出演した放送回に日本吃音協会が差別的だという内容の抗議をしたという報道があった。その抗議は事実のようだが番組側を擁護する意見も多いという。その放送を見ていたが全く吃音者を笑い者にしていたようには見えなかったし私自身も吃音を笑うという訳ではなくただリアクションする様が可笑しくて笑ったように記憶している。現にそういう抗議が番組に出されたと聞いた時にどの内容のことを言っているかピンとこなかったくらいだ。番組・芸人擁護側の意見にはその芸人自身がこういう抗議をされることで局側から扱いづらいとされチャンスを逃す可能性があるしそれは障がいを持った人への逆差別になりかねないとする。確かに芸人本人にとっては笑ってもらえることが一番でありその機会を奪うことはその芸人にとっての死を意味する。そしてこの抗議をした団体がこの当事者の芸人に事前に一切ヒアリングをしていないなど本人を飛び越えて抗議したことにやや疑問が残る。だが一方で吃音者が笑われている(ように見える)ところを放送されることによって他の一般人の吃音者に影響が出るという意見ももちろんわかる。このニュースを追っているときに見かけたコメントの中に「言葉に詰まっている様を字幕にしたのが良くない(趣意)」と書いていてそれはたしかにそうかも知れないと思った。あえてそこを字幕でなぞる誇張強調しすぎない表現に変えるだけで少し和らぐ(笑いの量は当然減る)。そこの配慮は番組側になかったといわれればそうかも知れない。だがこういう意見が出されると今の時代のコンプライアンスはテレビ局側に相当分が悪い。このままでは以前この番組でやっていた過剰なコンプライアンスに縛られてロケするドッキリが全然誇張しすぎではなくなりただの近未来の予言だったという皮肉な説が立証されてしまう。やがて無料で見られるコンテンツは当たり障りのない子どもが観て差し支えのないものだけを放送する退屈な世界になるかもしれない。もう好きで見たいテレビはお金を払って見る時代だとはっきり今回で認識した。最後の砦だけはウォールシーナだけはどうにか死守してください。お願いします偉い人。