さよならにっぽん

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1981年初版発行。オムニバス短編集。あとがきに作者自身が書いているが昔人から指摘された「大友克洋の作品は白い」というのを四年ぶりに読み直して自分も痛感したと。最初どういう意味かと思ったが要するに描いてない箇所が多い=手抜きが多いということらしかった。言われて始めて気づいたが改めて読み直すと確かに白い部分が多かった。背景を描いてないことが多かった。その反省も生かしてのちのアキラなどの緻密な街の背景になっていくのかしらと思った。知らんけど。天才もやはりそうやって日々進化していってるんだろう。知らんけど。こうしてアキラや気分はもう戦争、今作を読んで通底しているのは大友克洋の描く作品はどれもプロレタリア階級の目線で描かれてる漫画だなあ。と。あと不良とかバンカラとか。女子に対する扱いや考え方なんか時代毎の空気が感じられるもんだなあ。如何なる作家でも出てきた時代とは切っても切り離せない。大きな流れの中の居る自分を本人たちはどの程度意識していたのかは気になるところではあるな。次は童夢を読もう。