彼女がその名を知らない鳥たち

主演2人の関西弁(相当上手い部類やけど)の細かいイントネーションがどうしても気になってしまう。これは自分が関西人だから引っかかるだけなのか。おそらくそうなのだろう。でもそのせいで折角の面白いストーリーや役者同士の名演のぶつかりあいで、いままさに感情移入しようというその時に、このエセ関西弁のせいで一気に現実に引き戻される。ああ勿体ない。悔しい。けれども、それを差し引いても蒼井優と阿部サダヲの演技が素晴らしく、間違いなく白石和彌監督の最高傑作ではないだろうか。また最低なクズ野郎ゲス野郎の二役を演じた松坂桃李と竹野内豊もその容赦ない最低っぷりが見事で晴々しくもあった。今回普段はあまりしない映画から原作を遡って沼田まほかるさんの小説も是非読んでみたいと思った。