突入せよ!「あさま山荘」事件

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あさま山荘事件についてはいつか関連作を見てみたいと思っていたが、最近個人的に気になっている原田眞人監督作品があったのを思い出してこれを選んだ。当時の現場の指揮を執った佐々淳行さん原作。見終わった後の感想としてはとても面白かったんだが、ここまで犯人不在のまま事件が進行していってることに批判ではなくリアリティを感じた。正直ハナから連合赤軍などはモノの相手ではなく長野県警と警視庁の対立、警察内部の組織や所属の争い、対マスコミや世間との戦いに終始し混乱している様子が手に取るように分かる。ここでは犯人や人質は完全に蚊帳の外だ。国民全員がまるで指揮官になったつもりというセリフがあったがまさにその通り関係ない人からすれば(多分本気で良かれと思っているのだけれど)エンタメになっている。ここでも人質や人質の旦那さんに本当に寄り添う人などどこにもいない。その光景にうすら寒いものを感じた。この構図は決してこの時代だからというわけではない。2019年の今でも、今だからこそSNSでよりスピーディに数多くの事がより多くの人に拡散される時代になった。こんな時代だからこそ現在進行形で起きる事件を正しく俯瞰で捉えることの難しさをよくよく考えて吟味しなければならない。無知の一票のせいで有効な一票が消えてしまう事を自分は恐れる。次は山本直樹さんのREDを読んでみたい。