ONE PIECE41

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まだドキドキしている。間違いなく今まで読んだ中で一番感動した。誰もが皆ニコ・ロビンちゃんのことを好きにならずにいられないだろう。非情にも8歳では抱えきれないくらいの悲しい過去を背負わされた女の子。まだほんの2.3歳の頃に母と離れ離れになり預けられた家族にはいじめられ文句も言えずあげく再会してもお母さんと呼ぶことさえ出来ないなんて。それでも我慢出来ずに「お母さんですか?」と敬語で呼びかけるなどとても平静ではいられなかった。まだ甘えたい盛りだろうに、甘えて良い年頃だろうに。それでも聞き分けの良い賢い女の子は一所懸命に知識を蓄え母の期待に応える為に頑張って勉強をする。けなげだ。小さな子の献身にはおじさんの涙腺は耐えられない。だがそれでも彼女の運命を嘲笑うかのように世界政府から危険視され賞金をかけられ悪名を着せられることに。彼女と関わる人間は皆不幸になってしまう。何て業の深い…そらその後は誰も信じない生き方になるわ、誰も信用しない代わりに誰とも信頼を結ばない。その方が楽だし手っ取り早いのだろう。信じてまた全て壊されるくらいなら、いっそ心に鍵をかけてしまえばそれ以上傷つくことはないのだから。だがその悲しみさえも一緒に抱え込もうとしてくれるルフィがロビンの固く閉ざされた心を、いまこじ開けようとしている。大丈夫、ルフィならきっと。サウルが言っていた「いつか必ず"仲間"に会える」といった言葉を信じて。デレシシシと泣き笑いながら「生ぎたいっ‼︎」と叫んでる。

ONE PIECE40

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ニコ・ロビンとフランキーを救出に向かうルフィたち。ルフィは一足飛びに正門を超えていってしまった。その他のガレーラカンパニーのパウリーたち、フランキー一家のキウイとモズたち、麦わらの一味全員で力を合わせ海軍の兵1万と対峙する。大乱戦。敵味方入り乱れまるで戦争をしているかのようにバタバタと人が倒れていく。それぞれがそれぞれの思いをぶつけて絆や仲間の為に命を賭けた闘いを始める。キングブルやヨコヅナの動物たちも恩人の為に甲斐甲斐しく頑張っている。そして嘘をついて欺かられた事を知った巨人族の門番オイモとカーシーも寝返り味方になった。そげキングの説得が功を奏した。そして敵方は気持ちいいくらいの憎まれ役CP9のスパンダムがボス。ほとんど見た目はバットマンのジョーカー。ただ立場的には彼が正義の側だというのが複雑ではある。とうとう裁判所まで来たルフィはCP9の一人ブルーノと対決する。ギア2という初めての概念。概念だけでなく実際にものすごい強かった。しかもまだ上の段階がありそう。どこまでのギアの段階があるのだろうか?底知れねえ。いよいよ世界政府に喧嘩を売ったことでその名を偉大なる航路中に轟かせることになりそうだ。その前に二人を無事に救出できるのか?ロブ・ルッチほ相当強いってよ??

 

 

課長島耕作17

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ついにハツシバ木野会長と大泉社長の当初の思惑通りに中沢部長を35人抜きで社長へ大抜擢することとなる。これだけの大企業のトップの人事ともなるとここまで根回しして秘密裡に事を運ばないといけない。永田町めいてくる、まるで大名のお家騒動。定例の記者発表の場に自分が居ないとまずいと読んで大阪行きをキャンセルし近くで待機してた中沢部長のファインプレー。お見事。さすがトップに立つような優秀な人はものすごキレる。ものすごくキレるが怜悧な印象は与えず柔和な佇まいをしている。それがまたすごい。人物の大きさを感じさせる。まさに能ある鷹は爪を隠す。しかし大企業の(それも経団連に加盟しているような超がつく会社の)社長になるということは、ずば抜けた実力だけでなくプラス強運や時代の要請にタイミングよく出合い頭にぶつかる場所に居合わせないとなれないものだ。天命を尽くして人事を待ってもなれるとは限らない。しかもなかば公人のような務めもある。自分の好む好まざるに関わらずセレブレティとしての振る舞いを要求されその役割を演じなければならない。その点自由人の中沢部長は少し窮屈そうだ。高級スーツに身を包み社交の場にも顔を出し教養も身につけなければならない。それをしなければ"変人"扱いされてしまう。この世界で"変人"扱いされることは死を意味する。ともあれ今後のハツシバにとっては中沢新社長を擁立できたことはよかったと思う。大英断と言われるかどうかは今後の中沢新社長に関わってくる。がしかしここから日本経済は本格的に"失われた20年"の長期低迷期に入っていく。そんな中を社長の右腕として部長に昇進した島耕作とともに難しい舵取りをしていかなければならない。モデルとなったTOSHIBA(本当のモデルはパナソニック?)は残念ながら沈んでしまった。「部長」島耕作シリーズも楽しみだ。最後のアシスタントの名前のところに山本英夫の名前がなんか見たことあるなと調べたら殺し屋イチの人だった。すごい。

課長島耕作16

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隈長総会という総会屋がハツシバと平井課長に対して強請りを仕掛けてくるという前代未聞の危険なスキャンダルに慎重かつ冷静な対応を見せる島耕作。島の毅然とした態度と的確な判断のおかげで、総会屋もなすも術なく引き下がらざるを得なかった。お見事。一人で事務所に乗り込むあたり肝っ玉が据わっているし経験豊富である。そして部下の責任を自ら負い何も聞かず一切責めなかった中沢部長と自分の顔に泥を塗られたと怒り心頭ヒステリックに部下をこき下ろした遠ざけた井上副社長との対比がより鮮明で面白かった。今回の件で将の器が誰にあるかはっきりしたんじゃないだろうか。平井課長も中沢部長に心酔したように見える。その後平井は不倫した嫁と離婚、バラバラだった家族は娘と息子とのアパート3人暮らしを始めた事によって反転いい関係を築けそうな雰囲気だ。何かを得るには何かを失わなければならないとは良く言うが本当にそうなのだろうか?また覚醒剤漬けにされた元嫁のその後の人生が気になるところではある。次に島は会長の鶴の一声でアメリカの有名映画プロデューサーをハツシバ傘下に収めたコスモス映画の副社長に迎えよと厳命され口説き落とす為タイへ向かう。変人で有名な映画プロデューサーであったが現地の運転手に雇ったソーチャムの機転により交渉は成功する。他の日本人とは違う島耕作の態度に祖父を日本人に殺されたというソーチャムの気持ちが少しだけ和らいだ。立場や常識に囚われず一人の人間として接する島耕作もやはり将の器を持つ男であると示した回だった。いよいよ次は課長時代最終巻。

AKIRA5

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ついに米軍艦隊までもが動き出しネオ東京の沖合に接近。そんな中奇跡的に雑踏で再会する金田とケイ。少し離れた間に2人の気持ちは一気に高まったようだ。一方大佐は自分の責任を果たす為もう一度宇宙兵器SOLでAKIRAと鉄雄をもろとも抹殺しようと画策する。米軍、大東京帝国、ミヤコ教、ゲリラ、不良グループ、大佐。それぞれの思惑のぶつかり合う中ついに鉄雄(41号)はAKIRA(28号)に並ぶほどの巨大な力を手にする。その事を待っていたミヤコ(19号)キヨコ(25号)マサル(27号)はいよいよ命を賭けてAKIRAを抑える決意をする。そしてケイに自分たちの"触媒"としての役割を依頼する。その事を聞いた金田は激昂し、その前に自らが鉄雄を倒そうと身一つで死地へと飛び込んだ…金田無謀過ぎるwww鉄雄が段々と力そのものに侵食されだした姿が不気味にも美しい。何となくキャラクターがベジータに見えてきた。どこか悲しみを纏っている。あと全然次元は違うけど身体の一部がデジタルになるの楽しそう。目をカメラにしたいし手首にICカードの機能欲しいし頭はカッコいいヘルメットにして足の裏にジェット噴射欲しいよね。ね。ともかく次がラスト。どのような話になるのか全く分からん。

黄昏流星群 23

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「崩壊する星域」弘兼作品ではよく見かけると言っていい何度目かの親子丼の話。秘すれば花という風姿花伝の言葉を引用してるけど、結局秘すれてへんもんな、息子に知られてて。ちょっと気持ち悪い話だった。これが魅力とは思えないがそんな俺はしょうむないのか?グロはちょっと苦手。生理的に拒否反応が出てしまうからこれはきっと好みの問題なのだろう。まずあの女が誘惑してくるのがおかしいし、それをすぐ受け入れた父親もおかしい、別れを切り出されて飛び降りする息子はまだ分かるけどちょっとおかしい。欲望に正直に生きることは素晴らしいのかも知れんけどな。なんかショッキングな話だった。俺はまだまだうぶなのか知らん。「星界哀歌」不思議なSFチックなストーリー。学生時代の自分が政治家を志すキッカケになったのはその昔喫茶店で遭遇した中年のおばさんの助言が大きかったのだがそれが実は未来から来た政治家になった自分だったという。もちろん成立はしてないのだろうけども時空の狭間に迷い込んだバグのようなストーリー。時としてこういう事が起こりうる世の中であってほしいとこういう系の話にはとても胸襟を開く自分なんだなあと知った。二本のストーリーの対比が面白い。そういう意味でははっきり自分の好みがわかった。あと見た目が不利な女性議員のそれでも健気に生きる姿に共感を覚えたのかも知れない。ハードモードに生きることを己自身の努力と責任で乗り越えようとする健気さに。これを健気と取るのか焼け石に水と取るのかは体調次第ではあるのだが。でもその生き方で絶対間違ってないのだと自分に重ねて励ますように言うてみる。

深夜食堂17

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「天津チャーハン」「ブリ大根」「ささみチーズかつ」「新玉ねぎのホイル焼き」「きゃらぶき」「ビスマルク風」「A定食」が特に好きだった。「きゃらぶき」に登場した島村ハモが完全に中島らもで草。でも確かになんかしっくりくる。元々の登場人物で居てそうなくらい違和感なく溶け込むええキャラ。ハーモニカを吹くなんてまさにテレビ版のあがた森魚さんの流しみたいな風ですごく良い。きっと世界観の親和性が高いのだろう。きゃらぶきも食べてみたくなった。「高野豆腐」でも言っていたが確かに年齢が変われば食の好みも変わる。それももはや別人かというくらいドラマチックに変わる。「A定食」の最後のシーンではないが考え方もそれこそ別人のように変わるんだよなあ。それでええのやろうけど。何でも目玉焼き乗っけたらビスマルク風というのは面白い。目玉焼きの上に目玉焼き乗っけたらビスマルクビスマルクに何のかしらつって。ここ最近食事制限が効かなくなってるのは多分これ読んでドラマ観てるからだろうな。美味しそう過ぎて我慢出来ない。巻末に載ってた作者安倍夜郎さんの自伝的漫画も興味が湧いた。