ぼのぼの6

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見開きの「ともだちっていきなりなるんだ。ボクは知ってるぞ。ボクは知ってるぞ。ともだちっていきなりなるんだ。いきなりじゃないとともだちになれないよ。いきなりじゃないとともだちになれないよったら。からいきなりかまされた。今回も哲学的な言葉と可愛いらしい生き物たちの行動が満載。ギャップにまいった。シマリスのダイネーチャンが特にかわいい。

文系の壁

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久々に養老先生の著作を読んだ、ここ最近よく読む森博嗣先生との対談を見つけて興味が湧いた。それをきっかけに藤井直敬、鈴木健、須田桃子という3人の新しい人を知ることが出来た。中でも鈴木健さんはスマートニュースの人なのに哲学や地域通貨のことなどの幅の広い研究対象に惹きつけられた。著作もいつか読んでみたい。こういうことをきっかけに新たな知見を得られることは対談を読む醍醐味でもある。日本人にとってノーベル賞がすごい影響があるというのはとても納得いく話だなあ。言われてみればそうだ。「理系・文系」のタテ割りと「〜の壁」と書くと売れやすいのと通底してる理屈があると思う。あと日本人は性善説を信じている。というのはそうなのかと思った。読み終わったあとにもっと他の本も読もうと思える良い本だ。

 

部長島耕作 1

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いよいよ課長から部長になった島耕作。役職が変わって現場から離れ仕事の量が減るのかと思いきやより忙しくなって重責を担う事が増えた。ストレスがかかる、サラリーマンは大変だ。その分権限や給料が増えるから良さそうだと思うが、それだけ命を張ってるのだから当然といえば当然と思う。失敗すればそのまま消えていってしまうのだから。どの世界も上に行けば行くほど仕事とプラス政治的な手腕が問われる気がするな。オレはそのどちらともないのだけど…社長の右腕として絶好のポジションに位置している耕作の元にはその位置を狙う者たちが次々と襲いかかってくるだろう。それにどのように対処していくのか?耕作の行動を見て学びたい。結果問われることはいつだって人間の器のような気がするがさて。

「中卒」でも分かる科学入門

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久しぶりに氏の著作に目を通したが2013年に発表された普通の人のための(専門家ではない人)の科学の入門書。氏は全然中卒ではないバリバリの理系だが難しいことを分かりやすく文章で説明するのがうまいので、分からないけれども読み難さを感じることはなかった。むしろスラスラ読めたと言っても良い。(だがもちろんエネルギー保存の法則が四則演算が分かったは訳ではない。次またこの言葉を見た時に少なくとも初見ではないというくらい)そもそも知識がないから実際はどうなのか分からないが、原発は筋が悪い技術という考え方や「科学は『趣味』と考えよ」という部分などは共感する部分も多かった。貧困問題を先に解決せよも。そして将来「エネルギー放題」になるという予想は果たして当たるのだろうか?いつ実現可能なのか?夢のような話ではある。その方向に進んでほしい。もう一つ夢でいうとBIベーシックインカムの実現がある。これは是非ともなるだけ早くやってもらいたい。労働が当たり前でなくなる世界を一刻も早く。最低限の生活は保障されているわけだからら役に立つかどうか、出世できるかどうか、カネが儲かるかどうかなど気にすることもない。リスクを恐れずに、いくらでもチャレンジできる。そんな中から時々ものすごく役に立ったり、人を幸せにするものも生まれてくるでしょう。に賭けたい訳です。日本は失敗者にとても厳しい国という指摘も特に最近言われだしている。あとがきの言葉にあるスティージョブズの言葉を意訳した「職人たれ、学者たれ。」という言葉、職人とは出来る人じゃない、今自分が何が出来ないのかを知っている人で学者は知っている人ではない、自分が今何を知らないかを知っている人だというのは大きく納得した。他の著作も目を通したい。

黄昏流星群24

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「同星時代」父に愛人がいることを疑った妻の頼みにこたえて義父を尾行する夫。その相手はなんと自分の中学時代の同級生の男だった。性転換し見た目は完全な女性になっているものの娘にバレたくないという義父のプライドを尊重し一芝居うつのだが…娘はすべてを見抜いているのだった。女の勘のほん怖いとこ。そして久しぶりに会った中学時代のスターだった男が何の変哲もない普通のつまらない下卑た人間になってた時に一言サ・イ・テ・イという表現の仕方が面白かった。オレも使・お。「攻撃する運星」嫁の尻に敷かれ娘にも煙たがれ典型的なうだつの上がらない中年のサラリーマンの元に突如として降って湧いた4億円。ロト6で当て自由に使えるお金が妻も知らない自分の隠し口座に振り込まれている。最初は天にも昇る心地で散財するが何せ周りに秘密だから大した事は出来ない。ならばと以前たまたま目にした高嶺の花の芸者とお近づきになり至福のときに浸るのだが結局は金で手にした幸せは所詮心まで惚れさせることは出来ないと悟った男はもう一度うだつの上がらない自分らしい自分に戻る為100万円だけを口座に残し残りのお金を全額寄付するというすごい自制のきいた判断。自分なら絶対にこんな判断は出来ない、身を滅ぼすまで堕落していくだろうことは想像に難くない。この判断が結局後の人生を価値ある良いものにしそうな気がする。「星夜の贈り物」なぜか昔からクリスマスイブだけ荘厳な神聖な気持ちになるのか分からないが、この日だけはシンプルでピュアな願いであれば叶いそうな気がするから不思議。このことは自分がキリスト系の幼稚園に通ってたことと無関係ではなさそうだ。知らんけど。クリスマスイブを切り盛りする中華料理屋で過ごす59の独り身の父と34で独身の娘親子の元に突然舞い降りたサンタに扮したティッシュ配りに扮した本当のサンタ。この日だけはロマンチストでいること、居られることは幸せなこと。

 

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「攻撃する運星」より

胴の太さは中年の味

 

 

深夜食堂16

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特に好きだったのは「カレイの煮付け」「小梅」「タコの唐揚げ」「谷中しょうが」「アジフライ」「なすの田楽」「とん平焼き」作って食べたくなったのは「スタミナ丼」と「紙カツ」「タコ唐」お腹減っとんなワシ。改めて作者の安倍夜郎さんの人間の弱さやダメさ加減、蔑まれたり疎まれたりするもの、マイノリティーや病気なんかに対する優しい眼差しに癒される。何だかここに居ても良いよと言われてるような。こんなに優しい世界を欲しているのに関わらず日常では全くそのように振る舞えない自分に嫌気がさすのだけれど、そんな自分さえも許してくれそうな気がするから有難い。「優しさは根性です。」というたけしの名言を思い出した。丁寧に生きる、今縁しているモノを大切にってことなんやろな。「優しさ」の競争社会になったら良いのにね。最近またAmazonプライム深夜食堂のテレビ版の方をちょくちょく見始めたがテレビ版もやはり良い。主題歌のあがた森魚さんの曲が沁みまくり。新宿のガード下をくぐるオープニングがすごい好き。またあそこに行きたくなる、地元じゃないけど郷愁を誘われるから不思議。夜が明けた朝方の新宿も良い。

ゲーテとの対話(上)

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前々から読んでみたいと思っていたが難しそうなのでついつい敬遠しがちだったのだが、三島由紀夫のインタビューをYouTubeで見たときに「畏敬の念を抱く作家は誰ですか?」と聞かれた時にまず最初にゲーテの名前が出てきたのでそんな事もうっすら気になってついに初めて手にとって読んでみた。エッカーマンゲーテとの対話を収めた三部作の上。この頃のゲーテはすでに最晩年にあたると思うのだがまだ若いエッカーマンに対する姿勢など非常に芸術に対して純粋であるというイメージを抱いた。そしてちょくちょく法務大臣ゲーテの館を訪れたりこの時のゲーテは一体どういう境遇なのか気になった。何やらすごく盤石な様子は窺い知れた。特に感銘を受けたところ→「比較的才能のとぼしい連中というのは、芸術そのものに満足しないものだ。彼らは、製作中も、作品の完成によって手に入れたいと望む利益のことばかり、いつも目の前に思い浮かべている。だが、そんな世俗的な目的や志向をもつようでは、偉大な作品など生まれるはずがないさ。」とか「もし自分の生まれつきの傾向を克服しようと努めないのなら、教養などというものは、そもそも何のためにあるというのかね。他人を自分に同調させようなどと望むのは、そもそも馬鹿げた話だよ。(中略)またそれによってのみ、はじめて多種多様な性格を知ることもできたし、性に合わない人たちとつきあってこそ、うまくやって行くために自制しなければならないし、それを通してわれわれの心の中にあるいろいろ違った側面が刺戟されて、発展し完成するのであって、やがて、誰とぶつかってもびくともしないようになるわけだ。」とか「われわれは、朝起きたときが、一番賢明である。が、また、一番心配も多い。というのは、心配はある意味で賢明と同義だ、それは、受け身の賢明さだろうが。愚者は決して心配をしない。」など。「われわれはただ、黙々と正しい道を歩みつづけ、他人は他人で勝手に歩かせておこう。それが一番いいことさ。」「人を楽しませることができるのは、その人が楽しいときだけだろう。」などなどとても難しい印象ではあるが読めるところも少なからずあった。続きも挑戦してみようと思う。