情報の文明学

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この著作が1963年に書かれたということが非常に驚くべきことであるが、さらに驚くのがその内容が、まさに書いてある通りの現代になっている事である。予言の書だと言われるのも分かる気がする。そして2018年現在、唯一内容に相違する点があるとすればコンピューターへの過小評価だと思う。情報産業=コンピューターとする世の中へ著者はそんなコンピューターという一産業のみを指す言葉ではないと指摘しているが、実際はコンピューターが情報産業よりも大きくこの世界を覆い始めている気がする。様々な場面にAIをはじめとするオートメーション化が進み、ついには人類は働くことさえも遊びになりつつある世の中へと変わっていこうとしている。2045年にシンギュラリティ=技術特異点を迎えるとこの現代がどのように進むのか。この「情報の文明学」がいまこそ「古典」として読み直される価値とヒントがあるような気がしている。