今日、妻が実家に帰ります。

「今日、妻が実家に帰ります。」なかなか惹きのあるタイトルだと煽っといてなんだが里帰り出産のために一時帰省するだけである。しかも車で1時間ほどの距離で帰省というのも憚れるくらい。浮気や不倫のドロドロ離婚危機を想像した方には申し訳ないくらいの真逆の幸せ真っ只中である。アメリカのお菓子くらい甘ったるい話で恐縮だが私はそれくらい妻のことを愛している。と書けば理想的ではあるが、愛しているというよりも依存している方がしっくり来るかもしれない。関心がある事は同じだが矢印の方向が真逆である。「愛している」は相手のため、「依存している」は自分の為という感じ。お互いが依存しあう関係ならばいいのかも知れないが、また理想の夫婦とはそういうものかも知れないが、生活が堕落しがちな私は妻がいなくなった途端、槇原敬之の歌の歌詞にあった「薬缶に火をかけたけど紅茶のありかが分からない」状態に遭遇する。「ほら朝食も作れたもんね、でもあまりおいしくない、君が作ったのなら文句もおもいきり言えたのに」と、さすがにこんなわがままを言えるほど稼いでないので「君が作り置きしてくれた空心菜。少しだけ塩辛い♪」と替え歌しながら洗い物を洗う。久しぶりの一人暮らしの時間。少しは楽しいのかと思ったが意外と面白くなくて妻に早く帰ってきて欲しい。さすがにそれを本人に伝える訳にはいかず、ただ気兼ねなくすぐに寝れることとテレビの音がなくて静かで良いことを思い出して、この機会に色々と本を読むことにした。