黄昏流星群27

f:id:naok1mor10513:20190824125511j:image

 

四十年ぶりの同窓会だったー。から始まる一文からは想像もつかない物語へと展開していく「五里霧の星域」。同窓会で四十年ぶりに再会を果たした当時から仲の良かった四人組は、後日都心から離れた場所へゴルフをしに出掛ける。その帰り道突如として立ち込めた深い霧の中に現れた辺鄙な田舎の村に迷い込んでしまう。車を降りて村の中を歩いてみるが何故か人が一人もいない。不気味に感じながらも電波は届かないし霧も晴れないので大事をとってその村で一晩明かすことに。明け方になり人を探すのだがやはり誰もいない。それどころか夜が明けてその街並みが自分たちが子供の頃を過ごした町と全く同じであることに気づく。これは一体どういうことだろうか?訝しく思っていると四人のうちの一人がソ連の映画「惑星ソラリス」の話を始める。「それ」がそこにやってきた人間の潜在意識を実体化することができるという。つまりこの「霧」がひとつの知的生命体で我々が想像したものを現実に見せているという。とても信じられない荒唐無稽な話だが、それが本当かどうか確かめるために四人は自分たちの頭に思い描いたことが現実になるかどうかを試していく。子供の頃に作った秘密基地、子供の頃に食べたお菓子。実際に触れたものや記憶しているものはどうやら本当に具現化するようだ。信じられないがそれが現実に起こっている以上信じるより仕方がない。それだけなら良かったのだが(透明人間になる能力を得た男が必ず女湯をのぞきに行く様に)一人の男が初めてヤった相手を思い浮かべてしまい実際に目の前に現れてしまう。そこから仲の良い四人でもお互い共有していない秘密が次々と暴露され仲違いすることに。一緒にいても揉めるだけだからと四人は離れ一旦そのパートナーとそれぞれに過ごす。昔の淡い青春の時をもう一度体験してみるが、ちょうどその頃その街で起きた凶悪事件の犯人の顔を思い出し召喚してしまう。何とか命からがら逃げおおせた四人が目を覚ますとそこは車の中で実際には二時間しか経過していなかった。それから一か月が経ち不遇の状況に陥った四人のうちの二人はあの霧の中の世界に魅せられて現実逃避をするように自らの足で霧中へ進んでいく。世にも奇妙な物語のようなラストが憎い。

f:id:naok1mor10513:20190824125538j:image

(写真①秘密基地15歳でよう作ったなと思うほど立派)

f:id:naok1mor10513:20190824125600j:image

(写真②唐津6人殺しの犯人)

f:id:naok1mor10513:20190824125636j:image

(写真③カハァ)

f:id:naok1mor10513:20190824125724j:image

(写真④首切り)

f:id:naok1mor10513:20190824125754j:image

(写真⑤霧中に消える二人)