取締役島耕作2

f:id:naok1mor10513:20190917110707j:image

 

上海で暮らし始めた耕作は徐々に現地での生活にも慣れ中国の実情をおぼろげながらも掴み始めた。それは多くの日本人が10年後20年後まで気づく事が出来なかった残酷な現実である。ようやく目下2019年の現在では当たり前の認識として受け入れられつつあるが(というよりなし崩し的に受け入れざるを得なかった方が正しいが)日本はこのままゆっくりと衰退に向かって行くという現実である。この時期にそれに気づいていた耕作と弘兼先生の慧眼は流石だが、ここからどんな日本になっていくのだろうか。おそらくこのまま日本は観光立国を目指し外国人を受け入れ、徐々にその外圧に押される形で日本としての個性を変貌させつつ折衷しながら新たな精神面での、また文化面での最高峰なものを生み出すフロンティア国家を目指すのではないか。世界の行先のキャスティングボードを握る哲人国家を。だが実際は衰退の一途を辿るかも知れない。悲観的に過ぎるかも知れないがそれ以上の悲惨な現実がやって来るかも知れない。歴史上日本が中国を上回っていたのは直近の200年間だけである。あとはうまく付き合っていくしかないだろう。それはともかく本編ではなんとあのチャコがヘロインの魔の手に捕まってしまった。賢い人でも一度ハマると抜け出すのは難しいらしい。なんと恐ろしいのか。そしてまだまだ闇社会が蔓延っている中国の現実。日本を同じようなシン・シティゴッサムシティにしてはならない。