部長島耕作3

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初芝電産貿易で専務としてワインの輸入を手がけることになり知識を蓄え研鑽を重ねる島耕作。そんな中依然ひょんなことで知己となったエミール・ロランという仲買人の伝手を頼ってデュボアというまだ世間に知られていないがとても美味しいワインを作る醸造家と契約を(日本には単独で契約)することに成功する。そしてここから耕作本人も言っているがプロパガンダという名の宣伝をうっていく。この辺りが広告畑でならしたサラリーマンの腕の見せどころではあるが、島耕作は有名なオークションに出す為にまず著名なワイン評論家ロバート・ベーカーに呑んでもらう為に大町久美子の母大町愛子の力を頼る。そして偶然にもゴールデン街のBARのチャコがロバート・ベーカーの彼氏だと分かり(ものすごいついてる)その伝手を頼ってまたとない好評価を得ることに成功し望み通りオークションに出品しものすごい高値をつけて落札される。抜群の宣伝効果を上げビジネスは大成功を勝ち取ることになる。ここで注目すべきはもちろん島耕作の人脈の凄さと運の良さではあるのだけれどその運の良さを招いてるのは何よりも耕作が一人ひとりの人と知り合ってしっかりと心を掴む人付き合いをしているからだろう。家族でもないのにここまで耕作の為に動いてくれるのは、もちろん外見も男前で魅力的ではあるという部分も無関係ではないが、それも踏まえその男前さに甘んじることなく(むしろそうであるがゆえ)自分に対して真摯に尊敬の念を持って向き合ってくれる態度に相手は最大限に応えようとするのかもしれない。そういう意味では総合的な人間力の勝利と言えば簡単ではあるが日本有数の人たらしであることは間違いなさそうだ。島耕作はスパイに向いているかもしれない。島耕作は日本のイーサン・ハントだ。例えば物語の後半で京都に仕事で行った時に昔関係のあった人の店を訪ねることなんかからも付き合いをいかに大切にしてるかが見てわかる。こういうところは簡単に真似出来るからオレもしてみよう。そしてここのところのワインの世界へ一気に傾倒していってる島耕作の物語の世界だがこれはやはり作り手の弘兼先生の個人的な興味が元になってるのかなと思う。「好き」や「興味」の気持ちから物事を考えることはとても良いことだし正しいと思う。オレが言うまでもなくだが。そのあたりの経緯なんかも興味が湧いた。ともあれ誤解を招いて大町久美子とは少し距離が出来た。いつかはまた分かり合えるタイミングが来るだろう。それまでは少し離れることも大事な気がする。