余韻

数日前に久しぶりにお笑いライブに出演した。その余韻がまだうっすら残っていてここしばらく芸人気分のままで働いているが、徐々に時間が経つにつれて100パーセント配送ドライバーのメンタルに戻っていくのだろう。確かに40歳を過ぎても続けるくらい楽しい仕事なのは間違いないがそれ一本で生活するのは無茶苦茶大変な仕事だと改めて思う。常に自分を向上させて変化し続けなければならないし時流を捉え乗っかれないとすぐに叩き落される。鬼のようなコミュニケーション能力もポジションを築く勝負勘や度胸、運なども必要だろう。まさに「タレント」と呼ぶにふさわしい有形無形のさまざまな”能力”が求められる。少しばかりほんの少しばかり大喜利が出来る程度ではとてもじゃないが活躍どころか一周することさえ不可能だ。事務所のバックアップや政治力も当然大きいだろう。日本のトップレベルに居るということは(どんな業界であれ)それだけとんでもないということだ。バケモノ・非凡の棲む世界。それでも資格試験を取ってでも何とかその業界に紛れ込もうとするのはいったいなぜなんだろうか?金なのか?(それもある)知名度だろうか?(それもある)捨てられないプライドのせいだろうか?(大いにある)がやはり死んだら終わりだから自分が行ける可能性のある(本当に?)最高を目指したいだけの単純な理由ではなかろうか?要するに相当な馬鹿なんだろう…おそらく。もう「売れる」ことそれ自体が目標になって理想がどんどん現実から遠ざかりハードルを下げ続けた結果「続ける」ことが目標であり成功という哲学的な状態に。「生きてるだけで丸儲け」かのお笑い怪獣の座右の銘のような境地にー儲けの額こそ少ないがー少しでも近づけてるとしたら嬉しいじゃない。