ナイブズアウト

オススメに出てきてたのを見つけてなんとなく観はじめたのだがめちゃくちゃ面白かった。最初の1シーン目、朝霧が立ち込める鬱蒼とした山の中にひっそりと建つ古い洋館。広大な庭の芝生を高そうな飼い犬が走り抜けていく。ハードカバーがたくさん並んだ本棚、家主が著名な作家であることが窺い知れる。我の強いメッセージが書かれたマグカップを看護師が主人の元へと運びこむ。そこから長い(特に主人公にとってはとてつもなく長い)物語が始まる。このファーストシーンで一気に引き込まれたすばらしい導入。その後この被害者の主人と家族たち(そろいもそろって当然のように灰汁が強い)が登場し事件性はないが一応手続き上の聞き込みが警察によってなされる(当初は自殺の疑いが強かった)のだがそこに同席する不思議な雰囲気を纏ったイギリス男。匿名の依頼人によって捜査を依頼された有名な私立探偵は、他殺の可能性から考えて嘘のつけない看護師に捜査の助手を依頼する(序盤で実は彼女の注射ミスによって主人が亡くなったことが明かされる)。そこまでの情報を視聴者に開示してどうやって覆すのか?興味津々注視しながら解決の糸口がどこかに隠されてないか目を皿にしたがまさかの展開。破綻させず筋を通す。こんなアクロバティックな構成見たことない。ブラボー。こんなに面白いのにあまりにも騒がれていないのは何故なのか?結局その謎は解けなかったがダニエルクレイグが画面に出たらイギリス映画みがすごいな、あと彼がキャプテンアメリカだとは最後まで気づかなかった。こういう出会い頭のアクシデントは映画ならでは、大歓迎だ。